スキマクリエイティブ

古名優基
2025.07.23

オフィス近くの飲食店でランチをしていた時のこと。店員さんのユニフォームを見ていたら、前にお店のロゴ、背中には何やらQRコードがプリントされている。目を凝らすとSHIBUYA MABLsという、渋谷エリアのワーカーマッチングサービスのPRだった。

スタッフの背中を広告にするという視点が気になり、店主に話を聞くと、「飲食店がオリジナルTシャツを無料で製作してもらう代わりに、一定期間、そのTシャツを着用し、背中でサービスやイベントを告知する」。Ad+Tというビジネスモデルらしい。ラッピングカーや街頭イベントなど従来の屋外広告と一線を画す、Tシャツ広告。

ここだけの話、PRを積極的に行っていないからか、肝心のSHIBUYAMABLs自体の認知はあまり芳しくなさそう。ただ、別の価値がある。飲食店とマッチングアプリという異なる目的を持つ事業者同士がそれぞれの価値を高めるために、Tシャツで繋がる。広告主とメディア、従業員と顧客がそれぞれにクロスしながら、一つの共同体として事業のうねりを作る。

背中や裏側。それは、可能性に満ちた隙間。普段使われていないところにこそ、視点を変えたらニーズが見えてくる。皆さんの身近にも魅力的な隙間があるかも。クリエイティブな発想で一緒に埋めましょう。

古名優基/
クリエイティブチーム ディレクター
川崎生まれ。語学系の大学を卒業後、空間デザイン会社にて営業、広告代理店でプロモーションのディレクターを経て現職。webをメインとして、ブランディングの企画から制作までを担当。趣味は歩くこと。ここだけの話、TOEIC935点取得したことがあります。
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